こんばんは。
カウンセラーのNaoです。
今日は、子育てが上手くいかないと感じ、自己嫌悪に苦しんでいる人に向けて
数回に分けて記事を書かせていただこうと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昔は、皆さん知っての通り、どの家庭も大家族制が基本でした。
その為、父親・母親という役割は、その家で暮らす皆で自然とうまく担っていたところがあるようです。
(そのような環境だったが故に苦しんだ人もあると思います)
ところが、西洋の文化が日本に流れてきたことにより、
欧米特有の「個人主義」という考え方が家庭の在り方にも影響を与え、日本の家庭は「核家族」に変容していきました。
しかし、その変容の多くは表面的な部分に偏っており
例えば皆が新しい家を建て、子ども達にはそれぞれエアコン完備の個人の部屋を与え
同じ家に居ながら別々に暮らすことが「個人主義」であると解釈されてきた過程が、
今の家庭のモデルを創り出す上で、大きな要因のひとつとなっているようなのです。
(この物質的な環境の大きな変化に、心の方は追いつけていなかったということが
後に様々な問題を引き起こすことにも繋がるのですが、その説明はここでは割愛します)
核家族化によって、今の父親・母親が子供の成長に対して担う責任は増大したと言えます。
大家族制の時代は同居する祖父母や親戚がいて
皆で子育てをするということが自然になされていましたが
今は、仕事も子育ても、基本的には夫婦2人で成り立たせていくことを求められているからです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このように「子育て」というものを、少し遠くから眺めてみますと
今を生きる私達が、家庭を健全に築いていく事は
心理学者の河合隼雄氏の言葉を借りれば、いわば「大事業」なのです。
だからといって、安易に昔に戻れば良いという事ではなく
そもそも大事業を成し遂げようとしているわけですから、大変じゃないはずが無いんですよね。
この事を認識しているかどうかは、子育てによる心理的な重さの感じ方(自分を責めてしまうような)に、少なからず変化が生まれるのではないかと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は、現代の家庭の背景について少し触れさせていただきました。
拙い文章ですが、いつも読んでくださりありがとうございます。
【参考文献】
「父親の力 母親の力」講談社 河合隼雄
「こころの子育て」朝日文庫 河合隼雄
コメント