モノとこころ

皆さん、こんにちは。
心理カウンセラーの Naoです。

私達は今、モノが豊かで便利な時代を生きています。
それに比例して、こころも幸福であると思いたいけれど・・・
実際のところはどうでしょうか。

臨床心理学の第一人者である河合隼雄氏は、様々な著書の中で
以下のような内容に度々触れています。


”お金持ちになった分だけ、つまり物が豊かになった分だけ、心の方も努力しないといけない。
それを今まで怠り過ぎていたんです。貧しくないと、心がサボってしまう。
相対関係なんです。これに見合うことをやらなきゃいけない。”

(心理療法個人授業 河合隼雄 新潮社より)


”いまたくさんの親が、親としてのカンを磨くのをサボりすぎてる、と思います。
だから子どもがほんとうにしてほしいことは何なのか、わかっていない。

いまの生活は ある程度金がなかったらおもしろくない、とみんなが思い込んでいて、
どうしてもお金を稼ぐ方に一生懸命になっています。
そうすると親のエネルギーがそっちへ集中してしまって、子供から離れてしまう。


・・・(中略)・・・
つまり、子どもにとって親が何かしてくれるというのは、お金を稼ぐことじゃなくて、
一緒にいてくれたとか、大事な時に「うん」と言ってくれたとか、そういうことなんです。”

(こころの子育て 河合隼雄 朝日文庫より)


私がこれらを読んだ時に感じたことは、
生きていく為には、勿論ある程度のお金が必要ではあるし、子どもと四六時中べったり一緒にいれば子育ては万事上手くいく、ということではないにしろ

今私達が置かれている状況や、物事の良い面の裏にある代償、そして本当の豊かさについて
時には立ち止まり、自分の頭で考える必要があるということです。

私達はつい、「~があればもっと幸せなのに」と思いがちですが
世界から見れば、日本は必要以上に物で溢れ返っているし、今も尚、更なる利便性を追求し続けています。

その一方で、日本の自殺者数は毎年2万人を超え、2022年の統計では、小中高生の自殺者数は514人。過去最多です。



今一度、自分の周りに在るものに目を向け、感謝する心を養いたいです。

私の場合、お金はそんなに持っていませんが
家族や友人という、お金には決して変えられない、かけがえのない財産があります。

また、
快適な家があること
毎日3食美味しいご飯を食べられること
清潔な衣服を毎日着られること・・・

これらが、実はどれほど恵まれていることなのか、私達は普段考える余裕もないくらい目まぐるしく生活しています。

しかし、時に一歩引いて、多角的な視点で物事を見つめる習慣を持つようにすると
気づけばあれこれ求めるこころの健康に良いかもしれませんね。

豊かさとは、外側にあるようでいて、「幸せだなぁ」「有り難いなぁ」と感じられる、心の在り方ではないでしょうか。

今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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