機能不全家族における子どもの役割

こんにちは。
心理カウンセラーのNAOです。

今日は、主に機能不全家族(家族として機能していない)において子ども達が担う役割について、精神科医である斎藤学氏の著書を参考に説明させて頂こうと思います。


ヒーロー(英雄)
例えば子供が周囲や世間に評価されるようになると、その更なる活躍に熱中したり誇りに思うことで、両親の冷たい関係が一時的に良くなったりする。そうなると一層頑張ろうとする、親の期待を一身に背負うような役割。

②スケープゴート(犠牲の山羊)
ヒーローのちょうど裏返しにある。一家の中のダメを全部背負うような子どもで、この子さえいなければすべて丸く収まるのではないかという幻想を抱かせる事によって、家族の真の崩壊を防いでいるような存在。

③ロスト・ワン(いない子)
ヒーローやスケープゴートのようには目立たないで、「いない子」という存在の仕方をしている。とにかく静かで文字通り「忘れ去られた子ども」である。はじめのうち居たかと思っても、フッとどこかへ行ってしまったり、家族が一緒に何かやろうという時もいない。
こうした形で家族関係から離れ、自分の心に傷がつくことを恐れている。

④プラケーター(慰め役の子)
この役割の子が慰めようとするのは、一家の中でいつも暗い顔をして溜息をついている親で、多くの場合は母親である。
夫の飲酒や暴力の事で頭がいっぱいになっている母親の肩に手を置き「どうしたの?」とたずねるような子である為、斎藤氏は「小さなカウンセラー」と呼んでいるそう。末っ子に多い。

⑤クラン(道化師)
たとえば親たちの間に言い合いが始まって、家族の中に緊張が走るようなとき、突然とんちんかんな質問を浴びせたり、唄いだしたり踊りだしたりする。
この子は普段から一家のペットにされていて、自分でもそれを楽しんでいるように見えるが、道化師の下の顔は寂しい。

⑥イネイブラー(支え役の子)
小さい時から、他人の世話を焼いてクルクル働きまわっている。「偽親」とも呼ばれ、子ども達の中の一番上の子がこの役につく事が多いが、長男がヒーローやスケープゴートをやって忙しいと、その下の長女などがこの役につくこともある。

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健康な家庭であっても、無意識にそれぞれが担っているものがあるはずですが、
私が思うに、おそらくそれは両親から「愛されるため」に自然に見出されたものだと思います。

兄弟は“一番近い永遠のライバル“とも言われているように、皆が同じような性格や振る舞いをしていたら、両親から得られる愛情を巡って他の兄妹より優位に立つ事が出来ないからです。

一方、機能不全家族の場合、何故子ども達が①~⑥のような役割を担うのかというと
それは、家族の問題をそれぞれが無意識に表現したり、家庭崩壊を防ぐためにバランスを取ろうとしているからですが、

その根底には、親から「見捨てられたくない」という思いが潜んでいるのだろうと思います。



では最後に、
印象に残っている斎藤氏の言葉を紹介させて頂きます。

アダルト・チルドレンは診断のための医学用語でもなければ、人を誹謗中傷する為のレッテルでもありません。

自らの生きにくさの理由を自分なりに理解しようと努める人がたどり着く、ひとつの自覚です。

人はこの自覚を用いて、より有効で自由な自己を作り、その自己を保護するのです。





参考文献:「アダルト・チルドレンと家族」斎藤学 /学陽書房

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