今まではどれだけ疲れていても、何とか体を動かして日常生活を送れていたのに
ある時を境に体の不調を度々感じるようになったり、心が晴れず不安や苛立ちに覆われる。
いつもなら簡単にこなせていた事が
体が鉛のように重く手をつけられない。
今までは仲良く出来ていたのに、
またはそう振舞えていたつもりだったのに
無理に笑っている事が苦しくなって、だんだんと人に会いたくなくなる。
やらなければいけない事は幾つもあるけど、
出来ることなら、このまま目を瞑って眠ってしまいたい。
でも心は葛藤している。
頭の中はずっとうるさい。
だから、休んでいても決して楽にならない。
これまでは何とか動けていたのに。
私はこのままどうなってしまうのだろう。
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かつて自分を守る為に身に着けた生き方が
時間をかけて、その人自身を苦しめてしまうことがある。
そして限界が訪れたとき、無気力状態に陥る人がいる。
どうしてそうなるのだろう。
心は目に見えない。
だから、他人からは怠けているように見えるかもしれない。
でも実際には、その人の心の中では嵐が吹き荒れている。
それは
「もうこれまでの頑張り方では生きていけない」という、その人自身の叫びそのもの。
もっと言えば、
「誰かのための私」を頑張ってきた自分と
殻を破って「私のための私」を生きたい自分とが、激しくぶつかり合っているのだ。
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精神科医の高橋和巳氏によれば、
人の心には「認識の限界」があり、また一方で「認識を制限」をする働きがあると言う。
認識の限界は、中枢神経系が十分な情報処理を出来るまでに発達していないことが原因で
認識の制限は、精神分析などでは「抑圧」と言われる現象である。
本当はある事実を認識できるまでに脳が発達しているが、何らかの理由でそれを自分が許していない。そして自分で制限したこと自体も意識にのぼらないようにすることを指す。
抑圧することのメリットは、その苦しみを自分自身に感じさせないことだろう。
代わりに、もう心が傷つかない為の生き方を身に着ける。
しかしそれは、本来のいきいきとした心の在り様ではない。
自分自身のある部分を強く否定しながら生きていく事は、時間をかけてあらゆる偏りを生む。
それが結果として心身に炎症を起こし、うつのような症状を引き起こすのかもしれない。
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身体と心が思うように動かなくなると焦りが生じます。
またそんな自分を情けなく思い責めてしまう。
実際、周囲の人が適切にその人の状態を理解して見守ることは簡単ではないだろうと思います。
ですから尚更、「早く元の状態に戻らなければ」という思いに駆られます。
でも…
無気力な状態があなたに訴えていることは
元に戻ることではなく、「心の守り方を変えること」かもしれません。
それは、ずっと抑圧してきた感情に気づき
必要な時間をかけて受け入れ、
これまで握りしめてきた古い価値観を手放すこと。
「私を生きたい」思い(=新しい価値観)が
あなたの心の中で動き出す時、恐らくそこには膨大なエネルギーが必要です。
ですから、今思うように動けない自分が居るのだとしても
それは悪いことばかりではなく、
「私の人生において、重要な変化の兆しかもしれない」という視点を
心の片隅に留めていただけたらと思います。
そして、もし息が浅くなるような苦しい心の状態が長く続いている場合には
決してひとりで抱えこまず、一度は信頼のおける人にじっくりと話を聴いてもらうことを
自分に許してあげられると良いですね。

かつて私にもこのような時期がありました。
その時にある人から言われた「自分を救ってあげて」という言葉が今も心に残っています。
あなたの心の中にも、その力は必ずあるよ。
だからどうか、いまの自分を決して見捨てないでください。
参考文献:『心をはなれて、人はよみがえる』高橋和巳著
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